ゆめぴりか

特A評価のその先を目指す取り組みに期待しています。

 札幌市東区北32条の本店、大丸札幌店の2店舗でお米を販売している千野米穀店の代表取締役を務める德永善也氏は三代目で、平成3年に千野米穀店に入社しました。ところが、平成5年の冷害、平成6年の米不足と売り上げは半減。德永氏は、米穀店としてのあり方に立ち返り、お米について調べ始めます。そのなかでアレルギーに有効といわれているお米に出会い、お米の研究者や医師とともに「米アレルギー研究会」を立ち上げ、研究に取り組むなかで、お米の品種を開発する研究者と交流を深めました。以来、北海道米の品種開発から銘柄登録、市場に普及していく様子を間近で見ています。「今思うと当時、全国トップの育種研究者が北海道に集まっていたんですよ。平成8年、9年には『北海道の米はコシヒカリをどうやったら超えられるんだ』って、研究者の方たちは熱心に話していましたね」
 その努力が実り、ついに平成21年に「ゆめぴりか」の販売がスタート。平成22年には千野米穀店大丸札幌店がオープンしました。 「当社の大丸店の勢いは『ゆめぴりか』に便乗したようなもの」と德永氏は謙遜しますが、「大丸札幌店はいわば、北海道の玄関口。北海道を代表するお米を置きたいですね」とも語ります。「ゆめぴりか」の小分けパックをきっかけに道外のお客様からの注文が増え、それまでコシヒカリを注文していた本店の顧客も次々に「ゆめぴりか」に切り替わっていきました。
 德永氏に「ゆめぴりか」のどこが好きかをうかがいました。「口に入れたときのふわっとした食感がいいですね。あと草姿が美しい。すっとして上品で、葉の色もいいですよね。おいしさは姿形にも表れるんじゃないかな。いい品種だと思います」「おいしいお米」という評価を確立した「ゆめぴりか」ですが、「安心してはいけない。常にその先を考えていかないといけない」とも語ります。そういう意味でも「ゆめぴりか」コンテスト開催には大賛成。「誰もが、自分の仕事がどう評価されているのか、気になりますよね。努力した人は努力を認められる。生産者の方々にとっても大きな励みになると思います」

株式会社千野米穀店 代表取締役 德永善也氏

株式会社千野米穀店 代表取締役 德永善也氏

特A評価のその先を目指す取り組みに期待しています。

店で握っている「ゆめぴりか」と食べ比べてみたい。

 札幌で寿司を握って33年、「すし屋の根がみ」をオープンして5年になる根上和義氏の握りは「ゆめぴりか」100%。寿司ではほとんど見られない「ゆめぴりか」100%で握る理由をうかがいました。「寿司というとネタが注目されますが、評判のいい店はどこもいいネタを使っています。最上級のネタではあまり差が出ない。でも鮨飯は意外に気をつかってないんですね」
 まだ見習いの職人がごはんを炊くことも多いのだとか。「噛んだときに、米自体のうまみがないと酢の味が勝ってしまう。『ゆめぴりか』の甘み、うまみはとてもいいと思いました」粘りが強いため、炊き方には試行錯誤したものの、独自の炊き方を確立。今ではネタ、鮨飯、鮨だれの三位一体のバランスを完成させました。平目や帆立など淡泊な味の握りでは、魚介の上品なうまみ、鮨飯のほのかな甘みのマリアージュを堪能できます。
「ゆめぴりか」コンテストの審査員を務めるにあたっては「自分でいいのかと思いましたが、とても楽しみ」と語ります。「魚介類は漁師と漁協が『どうやっておいしいまま届けるか』をものすごく研究していて進化しています。お米はどんな取り組みをしているのかを知りたいですね」
 また、コンテストを勝ち抜いた「ゆめぴりか」とお店で握っている「ゆめぴりか」の食べ比べも楽しみにしているそうです。「札幌の繁華街に店を構えるということは、北海道の代表。道外からのお客様は、『北海道のおいしいもの』を求めて来店されます。以前はネタは北海道産でしたが、お米とお酒は残念ながら北海道産ではなかった。でも今はおいしい北海道米も北海道のお酒もあって、札幌の寿司屋としては、本当にうれしい限りです」

すし屋の根がみ 店主 根上和義氏

すし屋の根がみ 店主 根上和義氏

店で握っている「ゆめぴりか」と食べ比べてみたい。

ごはんだけでなく、加工することでお米の可能性を広げたい。

 酒田晶子氏が代表取締役を務めるAEI INTER WORLD は、北海道産の食材にこだわったレストラン事業とマッチフーズ事業を展開しています。平成22年「ゆめぴりか」を100%使用したおせんべい「円山ぴりか」の販売を開始。「ゆめぴりか」という北海道のブランド米が新しく登場することを知り、加工食品にしてみようと思い立ったそうです。「ゆめぴりか」というネーミングにも惹かれたといいます。
 とはいえ、おせんべいに適しているか否かを見極めるため、他の品種のお米でも試してみました。生地にした状態で食べ比べたところ、お米自体の味や甘みが感じられたのが、「ゆめぴりか」だったそうです。
 「円山ぴりか」は徐々に売り上げを伸ばし、今では人気商品となりました。その理由は、お米の味を生かした上品な味にもありますが、「特A評価やTVCMの影響も非常に大きい」そうです。「働く女性は忙しいから、簡単でおいしく、健康によい食品を提供したい」と語る酒田氏は、「ごはんだけでなく、お米の形を変えて加工することで、お米の可能性を広げたい」と考えています。
 経営するハンバーグ専門店「竃 円山」では「ななつぼし」を使用。「『ゆめぴりか』だと肉の甘みと米の甘みがぶつかってしまいます。『ななつぼし』の方が食べ合わせがいいんです」普段、酒田氏は「ゆめぴりか」を食べているそうです。「『ゆめぴりか』は、甘みと粘りがあり、おいしいお米です。でも、道内での地域までは気にしていませんでした。今回、地域で味が異なるものなのか、とても興味深く思います」

株式会社 AEI INTER WORLD 代表取締役 酒田晶子氏

株式会社 AEI INTER WORLD
代表取締役 酒田晶子氏

ごはんだけでなく、加工することでお米の可能性を広げたい。